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TOPICS2020.12.01

「LA LA JUNKO」新作衣装 制作舞台裏インタビュー

こども専用スタジオ「ラヴィ・アンファン」では、「ナチュラルな雰囲気で、自然光の中での日常の特別な写真」を大切にしています。そこで着てもらう洋服はどんなものがいいのか?非日常に着る洋服ではなく、日常の特別な服を作ろうというのがきっかけとなり、国内外で数多くのこども服を展開しているコシノジュンコ氏にデザインをお願いすることになり、JUNKO KOSHINOの担当の方に衣装のこだわりやポイントなどを伺ってきました。


-こだわりのポイントは?

ひとつは、すべての洋服に関しての事になるのですが、人と人との関係性の中でしか洋服は存在していない。
それはデザインも同じで、あくまで人間関係の中でしか解釈されないもの。
その意味において、当然そこには「日常性」という大きなキーワードがあり、その中で特に着てもらう人。
今回であれば、お子様やそのシーンを見つめるご両親や祖父母。その間に洋服がある時に、いかに洋服が全員の関係あるいは体験として「日常でありながら特別な瞬間」に出来るかが最も大切な事だと思っています。
それが洋服のあり方の本質であり、まず、そこにJUNKO KOSHINOとしてのこだわりがある。

洋服は、中心というよりも繋ぐものなので、主役は皆さんだと思います。繋いで、その場の体験を「日常の中での特別な瞬間」にする事が洋服の役割だと考えています。

-素材やデザイン、縫製について

特別な日常にふさわしい素材・デザイン・着心地・色味という点を前提に、特別な日常のデザインとは何か?を考え、子供だからこそ着れるデザイン、輝けるデザインという視点でデザインをしました。

-生地について

普通の子供服では使わないクラスの高品質な生地を使用しています。
成長が早い子供は、同じサイズの服を着る期間が短いので、家計の負担を考えると、日常の服は生地を含め原価を抑えたものが主流となっています。今回は、「特別な日常」というテーマなので、大人の既製服で使用する高品質な生地を、あえて子供服に使用している部分が他の子供服との大きな違いになると思います。

触ってもらえるとより伝わりやすいと思いますが、きめ細かく、高品質な生地であることがわかります。その他にも、形との相性にもよりますが、良い生地を使うと縫製の上がりがとても良くなります。
また、細かな部分の縫製と表情が生地の品質によって変わるので、いい生地を使うという事は全体の完成度に影響を与えます。

そして縫製自体も今回はかなりこだわっていて、男の子のセットアップは男性のスーツ仕様を採用し、グレードの高い総裏仕立てをしています。これは子供服ではあまりやらない事です。
記念撮影用ですので日常で使用するわけではないのですが、リアルな仕様もこだわることで写真の写り方も違ってくると思いますので、ポケット等の細部にもこだわりを持って完成度を高めるように作っています。
「写真ならわからないから、いいよね」という姿勢はプロダクトの力を高めない。
それはJUNKO KOSHINOのコンセプトからも外れています。

ジャケットって、肩の付け位置で袖がポコっと盛り上がるですが、肩のラインをまっすぐ出すために、縫製用語で言うところの生地を割っています。そうする事で、袖が部分的に盛り上がらずに、肩のラインと融合してストレートに綺麗に落ちてくる。ここもJUNKO KOSHINOのこだわりのひとつになります。

特に子供服で、肩がかっちりしているのは、服を着せられた感がでてしまうので、セットアップスタイルだけど、着せられた感がでないように意識して作っています。

<シャツの縫製について>
アームホール脇の部分は、縫い方が通常の子供服とは決定的に違います。
アームホールと脇に一番、力がかかるので、全て折り伏せ抜いをして補強と縫い代が肌に直接当たらないようにしています。細部にこだわることで、全体の服として力を高めています。

<シャツのボタンは貝ボタンを使用>
マットなシャツの素材に対して、さりげなく光沢をもってくる。
高級感を出しつつ、やり過ぎないように日常性を意識して選んでいます。

<襟にもこだわり>
襟をコンパクトにショートポイントにする事で、すっきり見せれるように、ボウタイでも合わせやすいようにしています。シャツの仕立ては襟がポイントになります。襟が立っていて立体的だけど、外側に飛ばない(浮かない)ような仕様になっています。首元の部分が立体的になっている分、家で洗濯アイロンとなると大変なのでプロにやってもらわないとですけどね(笑)。襟の部分でパターン(洋服の型紙)を作る人の技量が出てくるので是非見て欲しい部分です。

-ドレスのこだわりは?

女の子のドレスも、ジャケット、シャツと同様に、縫製のレベルを大人が着る洋服のレベルまで上げています。
分かりにくいですが、様々なところに微細なギャザー分量を入れる事でちょっとだけ立体的に上がるんですね。この部分も細かいですが、上がる上がらないで雰囲気が全然違ってきます。

ここの生地の分量をトワルチェックでも散々確認をしていたんですが、2倍の生地のものを縮めるのか、1.5倍のものを縮めるのかによってもフリルの表情が違ってきます。生地自体が、テロっとしているので、ストンと下に落ちやすく、服の形としてはペンシルライン(ストレートなライン)のような形になるのを防ぐために、こういう小さなことで、ちょっと生地を上げてあげるとフォルム的に丸みが出ます。丸みって子供のデザインでもとても可愛くなるので、全体のバランスを整えながらちょっとずつ丸みを出す、そういった部分を細かく調整して作っています。

また本来なら、とても手間がかかるので避けられがちですが、ギャザーの下には、チュール生地を重ねていて、このような小さなニュアンスの重なりが、生地を(下から支えて)跳ねさせるように作っています。

子供は、特に女の子ですが、肌を見せるバランスと、生地で隠すバランスをコントロールしないと、子供ではなくて女性に近づけてしまうので、それはその瞬間の自然な姿ではありません。特に首元の高さを通常より微妙に少し上げて、肌の露出のバランスを、子供らしくなるよう調整しています。
そしてギャザーの分量は通常より多いので、子供だから楽しめる分量と見え方になっている。大人が着るとレッドカーペットに着ていくレベルですね。笑

Q、どういったシチュエーションで着てほしいですか?

洋服というのは、作った後は、お客様のものになるので、着るシチュエーションはお客様が自由に選んできてほしいと思っています。
自分の子供がこの年だからこそ撮れる一枚、瞬間というのを、ご家族で決めてもらいたいと思っています。
それぞれの思いのシーンを切り取ってもらえることが、洋服たちも嬉しいと思っています。
洋服を作る側の役割としては、自然な子供のワンシーンを、家族としてその体験を共有して頂くために、最大限にそのシーンを我々が想像して、フィットする服をを届けるサービスとしてプロダクトを中心に体験を作り上げていけるか。その点に尽きると思います。このブランドのそれぞれの服が、お客様の「特別な日常の瞬間」を彩ることを願っています。

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